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20.動物王国インド

朝起きると、すっかり冷静になっており、昨日の怪しいインド人のお誘いはどう考えてもヤバイと判断した。
まぁ、ちょっと結婚式には興味があったが・・・。

翌日には、また列車に乗りアグラへ向かわなくてはならない。
ジャイプールの散策できるのも、今日だけとなった。
ジャイカル・フォートやナルガール・フォートも登ってみたいが、距離があるしリクシャーに乗るにも値段交渉が面倒だ。
という事で、歩いて行けそうなガルタまで行く事にした。
山の頂上に寺院があり、ココでもジャイプールの街を一望できる。


街中を突き抜けて山に向かうのであるが、とにかく人が多い!そして、とにかく声を掛けられる。
土産を買えだの、リクシャーに乗れだの・・・。
目的がはっきりして歩いているので、こちらも断りやすいです。
ちょっとでも隙を見せれば、ヤツらは付け込んで来ますから・・・。


山の麓まで、結構な時間をかけて歩いた。
疲れたので小さな売店でコーラを買って一服。すると、袋にたんまりと入ったピーナッツも売ってる。そこの爺さんはしきりに買えと煩い。

「こんなに食べられないよ!」
「いや、これはサルの餌だ!」

えっ!ここにもサルいるの!?しかも、餌付けかよっ!!
面白そうなので、買ってしまった。10ルピーなり・・・。


ズンズンと進んでいくと、サル発見!しかも、ブタもいるし・・・。
さすがにカッパはいませんでした。西遊記じゃないし・・・。


しかし、ココのサル・・・、めっちゃ人間に慣れてる。
逃げないというか、逆に向かってくる。終いには袋ごと持ち去ろうとするサルもいた。
さすが、インドはサルまでもこうなのか・・・!?


サルだけではなく、今度はヤギも寄って来た。
どアップで、この眼の離れ具合はなんだか怖い・・・。


しかしまぁ、見てたら皆仲の良い事。サルの子供がブタに乗ってるし・・・。
他にも、もちろん牛や犬もいましたが、とくに喧嘩も見られず。


そして頂上に到着!ピンクシティを一望!!って思ってたら、そんな絶景ではなかったかな!?
しかし自力で登ってきた分、それなりの達成感はありました。


寺院の中に入って行くと、靴を脱いで入れと言う。一人のオバサンがいた。
言うとおりにして、そして言われるがままに彼女についていった。
頼んでもいないのに色々とガイドをされ、紐の腕輪を結んでもらい額には朱印も付けてくれた。

こちらは、一切何も頼んでいない。しかし、彼女は勝手にいろんなサービスをしてくる。
さて、最後にいくら請求されるんだろう??

一通り中を見て靴のところに戻ってくると、彼女はお布施を請求してきた。

やっぱりか!
しかし、金額はお好きにどうぞ!との事だった。なので、僕は50ルピーほど置いてきた。
彼女は何も言わなかった。
コレが高かったのか、安かったのか・・・、今になっても謎のままだ。

下山は行きよりも楽だ。しかし、餌付けのピーナッツがすでに底をついていた。
サルが寄ってくるのだが、あげるものがない・・・。


しばらく降りたところに大量のバナナが・・・。そして、それらをサルがむさぼってる。
地元の人間が与えたのであろうか!?
それにしても、コイツらだけでこの量は多いしズルイ!って思った僕は、サルからバナナを奪う。
そして、下る途中に他のサルへとバナナを分けていった。
良い事をしてるのか、悪い事をしてるのか・・・!?これも謎ですね!


白人の観光客と擦れ違った。彼らもやはりピーナッツの袋を持ってた。そして、ガイドをかって出る子供インド人に纏わりつかれてました。
僕は、あの子供達は上手~くかわしたんだけどね!


インドを訪れた中で、このジャイプールという街が一番動物が多かったのではないだろうか。
インド中にいる牛・犬は勿論の事、街中にもサルやヤギ、ブタがいるし。
お仕事中のゾウやラクダもいます。公園にはリスもたくさん・・・。

これって、十分に動物園じゃん!
そう思えてしまう街、ジャイプールであった。


しかし言うまでも無く、何よりも多いのはもちろんインド人です!

19.インドのド派手なお祝い。

爺さんの約束をすっぽかし、午前中はゆったりと過ごす。
洗濯したり、読書したり・・・。旅の中で、こういう時間も良いもんだ!

さて、そろそろ次の街への予定も立てなくては!
僕はジャイプールからアグラ、そしてバラナシへ行く事にした。
どちらもベタな観光地。タージマハルやガンジス川のガート・・・。本格的なインド観光になってきた。

その為の列車のチケットを買いに、午後はジャイプール駅に向かった。
まったく・・・、何処へ行っても野良牛が多い!

ジャイプール-アグラ間のチケットはゲット出来たが、アグラ-バラナシ間のチケットはまたWTになってしまった。
再度、デイパックにヘルプコールするも、まぁまだ時間が有るし大丈夫だろうとのこと。
とにかく、アグラまでは普通に行けることになった。年末を控え、さすがにチケットが取り難くなっているのを実感した。駅では2時間も並んだし・・・。

やっとの思いでチケットをゲットし、駅を出ると2人組のインド人に捕まった。
この2人、駅に来たときにも話しかけてきた。僕が出てくるの待ってたみたい・・・。

「日本から来たのか!どうだ、一緒にお茶しないか!?」

またかよ・・・。
まぁ良いや!ってな感じで、僕はいつしかこういう誘いにホイホイ着いて行くようになってしまっていた。
そして、駅前の小汚い食堂に入り3人にチャイが出てきた時、男が切り出した。

「明日、僕の妹の結婚式があるんだ!お前も来ないか!?」
「・・・。」

考えられん!いきなり初対面の外国人に、身内の結婚式に出てくれだなんて・・・。
彼の話によると、インドの結婚式はとにかく派手に行い人数勝負なのだそうだ。だからって、俺かよっ、って気もするが・・・。

「僕は明後日にはアグラに行かないといけない。さっきチケット買っちゃったし。」
「ウチはアグラの手前だよ。ウチに泊まって結婚式に出て、その後アグラに行けば良い。」

お金は一切いらない、車も宿も用意する!って、話がうま過ぎる・・・。
さすがの僕もコレは逃げようと思った。

「じゃぁ、明日の朝ココに来るよ!僕の電話番号も教えておくから。」

今回は、最初っからすっぽかすつもりで、その2人と別れた。
因みに、そこのチャイ代は奢ってもらった。


宿に戻ると、昨日爺さんと入った建物がなんだか騒がしい。

おびただしい数のバイクが停まってる。




凄い人だかり、楽隊と共にその中には馬・象・ラクダ・・・。
一体、何なんだ!?



隣にあるうちのGHでは、僕と同じくみんな屋上に上がってきた。
そこで僕は、たまたま隣りで見ていた娘に聞いてみた。

「コレ、何!?」
「結婚式だよ!」

えぇ~~~~~~~~~~!!
まさか、あいつらが言ってた結婚式?いや、でもアレは明日だったはず。
それにしても、凄い偶然だ!

こんな機会はそうそうない!僕は知らんぷりして、式場内を行ける所まで行ってみようと思い立った。


どうやら、親族らしい・・・。
周りには警備などおらず、まったくのスルー!
ズンズンと進んでいくと・・・。


写真を撮ってくれとせがむ、インド少年たち。
どうみても親族にも招待客にも見えず、近所から湧いて出てきたような・・・。
そして、周りに居た人たちにも声を掛けられる。

「あんたも食べなよ!」


ケータリングであろうか、食べ物は存分にあった。カレーパイやケーキが美味かったなぁ~。
しかし、さすがはインド、アルコール類は一切無かった。それが残念であった。

厳かな式はもう終わったのだろうか!?子供達がステージ上で遊んでます。
これまた、日本では考えられん・・・。


結局、新郎は見たものの新婦は拝められなかった。
それにしても、派手なセレモニーでした。関係ない近所の人間や旅人まで振舞ってくれるとは・・・。

今日は不思議な1日であった。
駅で会ったあの怪しい2人。今思えば、二人の話の辻褄が合う。
明日の朝、あの2人についていったら、ひょっとしてもっと面白いことになるかな!?

インドの結婚式、とにかく楽しかった。
居合わせた人たちも、日本人がいるのにかなり驚いた様子であった。それだけに、何か僕ちやほやされてしまって・・・。
気分良かった!!

明日はどうしようか!?
まぁ、今夜寝ながらゆっくりと考えることにしよう・・・。

18.ジャイプールの謎のインド人

韓国カップルを見送ったあとは、近所の散策。ついでにネット屋を捜索する。
見つけたのは良いが、料金が少々高い。
ジャイサルメールでは1時間30INRであったのに、ココでは50INR。にもかかわらず、速度は遥かに遅かった・・・。ジャイプールの方が都会の筈なのに!

そして、帰りに見つけた床屋さん。
モノは試しに、髭剃りをお願いしてみた。そういえば、髭が伸び放題であったし・・・。

床屋の写真を撮るのを忘れていたが、こんな市場の中にありました。宿もここの近くです。
怪しい床屋、顔剃りだけしてもらったのですが・・・、なんとたったの20INR。
安いっ!!
まぁ、雑に霧吹きで顔に水をかけられ、ぞうきんみたいなタオルで顔を拭かれましたが・・・。
それと、アルコールらしきものでカミソリを消毒していたが、やはり衛生的にはコワいものがあった。

夕方になり、宿に戻ろうとすると・・・。
チェックインの時には気が付かなかったのであるが、隣りになんだか祭りの会場のような広場があった。(後に詳しい解説アリ!)

扉が開いていたので、興味深々に中へ入ってみた。

とても広そうだ・・・。
誰もいなさそうだし、奥まで入っちゃえ!

しかし、そこには一人の初老の男性がいた。そして、何故か彼は僕を見て手招きしている。
なんだか、不思議な衝動に駆られる。
普通であればついて行かないのだが、僕は何故か彼の言うままに後ろについて行った。

建物をズンズン進んで行き、階段を登りしばらくするとそこは壁の上の通路の様になっていた。
そして、落ちていた棒を拾い上げ僕の方を向いた。
ん!この棒で殴られるのか!?
そうではなく、彼曰く猿除けらしい・・・。後で分かったのだが、マジで襲ってくる猿もいます。

下は池であったのだろうか?野良牛がいたり、バイクが置いてあったり・・・。
良くわからんトコロだ!

それにしても、汚ったねぇ通路だなぁ~。何処まで続いてるのかわからんが・・・。

で、行き止まりには何があったか・・・。
実はシティパレスの裏側に繋がってました。さすがに、そこからは入れませんでしたが。
そして、反対側に目をやると、巨大なクリケット場が。
おぉ~、さすがインドだなぁ~。

20分くらい彼の後ろを着いてひたすら歩いたのだが、その間全くといって良いほど会話はなし。
最初に英語がしゃべれないって言ってたし、英語で・・・。
そんな彼が、ポツリとつぶやいた、

「明日は何処に行くんだ?」

特に決めていなかったのだが、丁度そこから見えた山の砦に登ってみたくなった。
ナルガール要塞、別名タイガー・フォートです。


「あそこまで歩いて行けるかな?」
「大丈夫だよ。じゃぁ、明日の朝一緒に行こう!8時にさっきの門に来なさい!」

おいおい、勝手に爺さんの散歩の相手に任命されてしまった・・・。

しかし、前日寝ていなかったせいもあり、翌朝起きると10時を過ぎていた。
スマヌ、爺さん・・・。
それにしても、不思議な爺さんだったなぁ~。小奇麗な身なりで、なんだか優しそうな感じだった。
無言の散歩だったが、コッチはワクワク・ドキドキで結構楽しめたような気がする。

でもあの爺さん、本当に翌朝の8時に門の前で待ってたのかな!?
その真実は、未だに謎のままだ・・・。

17.韓国人と広島人

早朝のジャイプール・オールドシティにて・・・。
店はどこも開いていない、僕は途方に暮れながらこれからの食事や宿の調べるべく、歩き方を開いていた。
すると、前方から日本人と見られるカップルが歩いてきた。
僕は藁をもすがる思いで、2人に話しかけた。

「こんな朝早くに、今から何処行くん!?」
「나는 일본어를 모르겠습니다. 」

何だよ!韓国人かよ・・・。
それからは、お互いにたどたどしい英語で会話する。2人はどうやらカップルではないらしい、そして兄弟でもない。友達と言うが・・・。
まぁ、そんなことはどうでもいいや!
なんやかんや話しているウチに、一緒に行動しようということになった。


しっかし、この辺り汚ったねぇなぁ・・・。
彼は、有名なラッシー屋がこの辺りにあると言う。んじゃ、そこに行こうって事で3人で街中を歩く。しかし、到着するとまだ時間が早くて店は閉まってた。


写真は、その後僕一人で行った時のものです。このラッシー、マジでめちゃくちゃ上手かった。冷蔵庫は使わず、ちゃんとカメの気化熱で冷やした本格的なものでした。
ジャイプールのラッシーは、マジでお勧めデス。

さて、その後3人はどうしたかと言うと・・・。
散々歩き回ったので、彼女が荷物を何処かに預けたいと言う。
それでは!って事で、僕が調べて置いたGHに向かう事にした。ちょうど行こうとしていたシティパレスの近くだし・・・。

「君ら、こんばんは何処に泊まるん?」

実はこの2人、ジャイプールは半日の滞在で15時の列車で次なる街に向かうと言う。
3人でGHに向かい、僕だけチェックインした。そして、3人分の荷物を部屋に置いて出掛けようと言う事になった。

んでも、腹へった・・・。そこで彼女の提案!


おいおい、そんなモン持って来てんのかよ!しかも、それしか持って来てない。
器は?箸は?お湯は?
たまたま、僕が割り箸を持っていたので提供する。そして、彼が泊まりもしないのにGHのキッチンに入って行き、お湯を要求する。
ほぉ、何とかなるもんやねぇ・・・。


GHのロビーにて、まさか「辛」を食べることになるとは・・・。
んでも、美味かった!
器はどうしたん?って思われる方もいらっしゃるでしょう!
実は、袋の中に粉末と熱湯をそのまま入れるんです。そして、上の口を絞って3分待つんです。これで出来上がり。アルミの袋になってるんで、熱湯を入れても結構平気なんです。
韓国の軍隊では、この食べ方を「ポグリ」と言うらしい。意味は彼も知らないみたい・・・。
そっか、大学卒業したばっかで26歳っておかしいなぁ〜、って思ったら、韓国は徴兵があったんだ・・・。
何か、異文化交流ですね!


その後は3人でシティパレスに。観光地で入場料を払ったのはココが初めてだったかな・・・。
おぉ〜スゴイ!!上にある白い建物は、マハラジャの御殿です。


ココのシャンデリアの広場で、日本人のツアー軍団に出くわす。
僕ももう、この頃になると団体なら日本人はすぐに分かる様になっていた・・・。まぁ、旅行会社のバッチを付けてたら一発です。そこで僕は年配夫婦に話しかけてみた。

「どちらからいらしたんですか?」
「あっ、ビックリしたぁ!日本の方でしたか・・・。ウチら広島からです。」
「えっ、そうですか、僕も広島です!」
「あぁそう、そちらは3人だけなの!?」
「いえいえ、僕一人です。こいつら韓国からです。」

最初は奥さんと話していたのだが、旦那の方はコテコテの広島弁だった。なんだか、懐かしかったですね。インドで広島弁を聞くとは・・・。
そこで旦那さんはしみじみと言う、もっと若い時にインドに来てたらなぁって・・・。
僕らの事を、とても羨ましそうに見てました。ツアーはツマランって・・・。

その後、街中をブラブラし宿に戻って2人を見送りました。
ラーメンありがとうね!美味しかった!!

16.列車での出来事

シャイタンに頼んであった列車のチケット。
WT4であったが、駅まで送ってもらうギリギリに座席が確定した。

知らない人がインドで良く陥る罠、それがこのWTってやつ・・・。
普通、Eチケットの座席欄にWT4って書いてあったら、それが席なんだって思いますよね・・・。
しかし、このWTってのは「Waiting List」って事なんです。
どういう意味かと言うと、「あなたの指定した座席は満席で空席待ちが4番目」って言う意味なんです。

これは、デリーで予約窓口に行く際にデーパックから聞いていたので僕は知ってました。
そして、さらにシャイタンが言うにはよっぽどの事が無い限りWT20までは普通に乗れるよ!って事でした。
案の定、言ってた通り僕は座席をちゃんとゲット出来ました。


今回も時間に余裕があり、インドの列車も2回目と言う事で自分の車両・座席はすぐに見つけられました。
ジャイサルメールからジャイプールへ、これもまた深夜特急です。


「世界の車窓から」的な画を撮りたくって、窓の格子からカメラだけを出してパチり・・・。
まぁ、一応写真はそれなりに撮れたのですが。
砂漠を横断する列車だけに、砂埃がすごくて・・・。カメラの内部に砂が入り込んでしまいました。その後はズームを使うたびに、「ジャリジャリ〜!」って・・・。
まぁ、何とか自分で掃除は出来ましたけどね!

しかし、その後は車内に何とも言えない異臭が漂います。

「ん!何だコレは・・・!?」

実はその正体、外の砂漠の砂埃でした。
車内まで入り込んでくるのです。
デリーからジョードプルまで行く際、僕は2等のACの座席を取りました。しかし、ACは逆に寒く、真夏ではないのだからNON-ACでもいいじゃん。そう思い、僕は今回NON-ACの座席を指定しました。
それがまたまた、選択間違いでした。この路線ではACにすべきであった。
何故なら、ACは窓が開かないタイプで気密性が高いのです。NON-ACは窓を閉めてもすきま風が入り込み砂も混入してくるのです。
そんなの、知らなかったしなぁ〜。もし、行かれる方がいらっしゃいましたら参考にしてください。

そして、夜になりそろそろ寝ようかと、ザックから寝袋を出し準備をしてました。
すると、向かいの若いインド人夫婦が僕の様子をジッと見てます。

ちょっと、コミュニケーションを取ってみようかな!?
僕は英語で旦那の方に話しかけた。しかし、どうやら二人とも英語はさっぱりみたいだ。
であれば・・・、僕はiPadを取り出しヒンディー語の会話アプリで参戦してみた。

「私はヒンディー語が話せません。」

これをヒンディー語でiPadに喋らせた。
そしたら、それに2人は大爆笑、そして僕の取り出した秘密兵器に興味津々です。
やっぱり食いついた!

実はデリーで、デーパックに注意されてました。
「それ(iPad)はあんまり人前で出さない方が良いよ!盗まれちゃうよ!」
まぁ、確かにその危険性もあるが、僕はこんな格好のコミュニケーションツールはないと、使いまくってました。

まぁ、時間にすれば10分くらいでしたが、3人で楽しく盛り上がれました。
この奥さん、結構キレイな人でしたね。ベッキーそっくり、ベッキーをそのまま黒くした感じ。そんな事もあって、僕、奥さんの方をガン見してましたから・・・。
うわぁ〜、似てるなぁ〜!なんて思いながら・・・。

夜も遅くなり、周りのみんなも寝だしました。そろそろ寝るか!
僕も同じく、寝袋に入り眠りにつきました。


分かりにくい写真ですが、今回は寝台の1階にしてました。
コチラ側は1階と2階しかありません。


反対側の写真ですが、NON-ACでは1階の背もたれになっている部分が、夜には中段になります。昼間は3人が1階部分の座席に座ります。ですので、中段・下段は結構キツいです、自由がありませんから。その点上段の人は、いつでも自由に寝る事が出来ます。しかし、上り下りが面倒です。

と、言う事は・・・。僕の席が、一番条件が良いのです。
これは実に良かった!寝て起きるまでは、ですが・・・。

その列車は、ジャイプールの到着が5時半であった。例のごとく、5時くらいからみんなざわざわしだし、僕も目を覚ましました。

すると・・・。

おそらく、上段の座席の人だと思うのですが、僕の真横に浅くお尻を乗せて2人のオバちゃんが座ってるではないですか・・・。
その2人、珍しいものを見るかの如く僕をジ〜っと見てます。
僕は怒るっていうか、逆に呆気に取られましたね。恐るべしインド人・・・。

荷物をパッキングしたら、ちょうど駅に到着しました。
朝も早いし、特に何処行くかも決めてないし・・・。
僕はゆっくりと駅のホームに降り、水道があったのでソコで歯磨き・洗顔をしてました。

駅を出ると、まだまだ辺りは薄暗い。
地図を広げ、取りあえずジャイプールのオールドシティを目指す事にした。
ざっと見た所、3、4キロはある。リクシャーに乗ろうかとも思ったが、時間もたっぷりあるのでここは自力で歩く事にした。

駅から歩き出すと、僕の周りには沢山のリクシャーワーラーが・・・。
コイツら全員・・・、とにかくしつこかった!200mくらい、ずっと付いて来ましたから。そして、僕の隣でずっと喋ってる。
さすがにブチ切れた僕は、最後に日本語で怒鳴り散らす!

「さっきから、いらんって言っとるやろうが!お前らしつこいんじゃ!」

黒い顔に白目をギョロっとさせたワーラー達、さささ〜〜って散って行きました。

駅から歩く事30分くらい、なんとか目的地周辺にたどり着いた。
あぁ、んでも腹減った!観光より先に、宿も早く探さなきゃならないし・・・。
時間は朝の6時過ぎ、店は何処も開いてない。
あぁ〜、どうしようかなぁ〜!?
途方に暮れていると、向こうから日本人らしきカップルがやってきた。

おぉ、この2人は僕の救世主になってくれるのか!?

15.何となくインドに慣れて来た

キャメルサファリを何処に依頼しようか、僕は街中の旅行会社を回っていた。
地図を見ながら、僕は街中のサンセットポイントというのが目に留まった。
こんな大平原でみる夕陽は、さぞかし絶景なのだろうなぁ・・・。

そんな事を思いながら、目線を持っていた地図から真横のカフェにずらした。
そこには、若い男女が向かい合って座っていた。
そして、明らかにその二人は周囲から浮いていた。

女性は西部の民族衣装を着た女性、日本人かどうか良く分からない。
そして、男の方は・・・、あれっ、ユウキじゃん!!

デリーで別れたままジョードプルではぐれてしまった、アイツ・・・。

「何しとん!?」
「いやぁ〜、インドは狭いっすねぇ〜!」

狭かねぇよ!それにしても、すごい偶然だった。
彼から聞くと、彼女はコチラに住み民族楽器の勉強をしているらしい。
どうりで、日本人離れしてるワケだ・・・。

「そうそう、俺まだお前からネパールの歩き方、貰ってないぞ!」
「あぁ、渡しますよ!ウチまで来てくださいよ!」

彼の宿は、長距離バスストップのすぐ横の「タイタニック」というところだった。
名前からして想像がつかないが、韓国人ばかりのコリアン・ゲストハウスであった。

「じゃぁ、後で行くよ!」

そう言い残して、彼らと別れる。その後、僕の旅行会社はすぐに決まった。
夕方前からフォートに登ろうとして、僕は街中の坂道を汗だくになりながら登っていた。

すると、また一人のインド人に声を掛けられた。彼の名はアルパチーノ・・・、本当かよっ!
彼は僕にレンタルバイクを勧めてきた。

「いや、いいよ!今回、国際免許取ってきてないから・・・。」
「ダイジョウブ!日本デ乗ッテルデショ〜。OKヨ〜!」

本当かよ。でも、ハワイじゃ日本の免許証で借りられるって聞くしな・・・。
そもそも、その考え方自体が間違いであったのだが。
でも、まぁ何かあったら全部コイツのせいにしちゃおう!英語も分からんフリして!

値段は1時間100ルピー。高っけぇなぁ〜、もちろん日本に比べれば格安だが。
僕は4時間借りる事にした。
何故か一緒にスタンドまで行って満タンにして、再度店に戻ってきた。

「ジャ、パスポートヲアズカッテオクカラ!」

えっ、まじで!大丈夫なんかなぁ?4時間とはいえ、パスポートが自分から離れるのはこのときだけだったかな!?

じゃぁ、行って来ま〜す!の前に記念撮影。
撮影は、アルパチーノに頼んだのだが何故か隣の絨毯屋のオッサンも・・・。
それよか、近づき過ぎだって!!

もう一枚。
撮ってもらっておいてなんだが、インド人は写真を撮るのが苦手だ。
風景をバックにカメラを渡して、写してくれと言うと、大抵人物ドアップで写す。
まったく、もう・・・。

フォートに登った後、僕は街中から少々離れたサンセットポイントの丘に向かった。

途中、興味本位で砂漠方面へ疾走してみましたが・・・。

地図は見なくとも、上を見上げてれば到着するだろう!そんな呑気な構えで丘を目指しました!
でも、結局無事に到着出来た。

夕陽が落ちるには、まだ少々時間があった。
すると、そこには妙な楽器を持った爺さんが・・・。

彼とはそこで色々と話をした。この楽器の名前は忘れたが、ラジャスターン地方に古くから伝わる楽器らしい。
もうすぐ日が沈む、僕の横で、彼がとても心地の良いヴァイオリンの様な音色を奏でる。あぁ、実に気分が良い!癒される!最高だ!

だから爺さん、頼むからあの言葉だけは言わないでくれ!
僕は、心の中でひたすら祈った。

30分くらいしてから、彼は帰るという。
そして彼はこう言った

「私はあなたの為に弾いてあげた。マネー!」

あぁ、やっぱり言いやがったよ!
僕は嫌な予感がして先に聞いてました。プロなのか?って聞いたら、コレだけじゃ飯は食えないし趣味だと言っていた。

「アンタ、プロじゃないって言ったよな!勝手に弾いておいてそりゃないだろ!」
「僕は、絶対に払わんぞ!」

いつもの決め台詞で締めました。爺さん、ビビってしまってそそくさと帰って行きました。

さぁ、もうすぐサンセットだ!
しかし、その時とても重大な事に気が付く。さっきも思ったのだが、このバイクってライトは点くん?確認してみると、バッチリ点かない!思った通りだ・・・。
これじゃ、暗い夜道あの野良牛どもを避けながらは走れない!
サンセットを前にして、下山を決める。勇気ある撤退だ!

そして、下山しそのままタイタニックに向かった。
フロントで部屋を聞き、行ってみると不在。屋上のレストランに行ってみると彼はいた。
ビビンバ食ってやんの。めちゃくちゃ、美味そうだった。
それに、韓国の若い娘多いし!
そこで僕は思った、どうもユウキは僕よりも引きが強いなぁ〜って!

それにしても、ここの野良ウリ坊にはビックリした!

本を貰って、すぐにレンタルバイク屋に戻りました。
周りの韓国人はビックリしてましたね!ユウキの友達はなんでバイク持ってるん?って・・・。

無事にバイクを返却し、アルパチーノからパスポートを奪還しました。
異国でバイクを運転、原付とはいえ良い体験が出来ました。何事も無くね!

14.チップとは??

砂漠の寝床を後にし、我々は2時間程ラクダに揺られ帰路に着いた。
その道中、色んな事を考える。


もし、ココで一人取り残されてしまったら、どうやって生き延びるか?とか・・・。
今回、真剣に思ったのが「水」は人間にとって非常に貴重であるということ。
当たり前ではあるが、身を以て実感出来た。

梅津が持って来たのは、およそ10リットル程のタンク。僕が持参したのは1リットルのペットボトル。これで、料理、飲用、洗い物、トイレ、すべてを賄う。
足りるのだろうか?不安ではあったが、見事に丁度であった。さすが、プロであると感心したものだ。

気のせいであろうか、帰りは行きよりも数段早く感じた。
村の手前の道路にて、僕は降ろされる。

「こんなところが終点なのか?」
「ココに迎えの車が来るんだ。僕も一緒に待ってるよ!」

その言葉に少々安心した。こんなところに一人残されても、不安でしょうがない。
そこで、待つ事30分くらいであったろうか。おかげで彼とは色んな話が出来た。


重たい人・荷物が降りたせいか、松浦はとても気持ち良さそうな表情をしていた。
僕らの隣で、大人しく伏せていた。

とても世話になったと思い、僕は梅津に連絡先のカードを渡した。

「僕もアドレスを教えるよ!」

えっ、パソコン使ってるん?疑問に思ったが、彼の言うアドレスは正に家の住所だった。
僕の持っていたメモ紙に名前を書き、住所を書く。
"Umedu..."
まるで、字を習いたての小学生の様にゆっくり丁寧に書き上げる。

そうか、ひょっとしたら彼は本当に最近まで字が書けなかったのかもしれない。
習ったばかりで嬉しくて、僕に書いてくれたのか?
そう思うと、教育の格差を感じつつも微笑ましかった。

「ありがとう!帰ったら、手紙を書くよ!」

その時は、本当に帰国後に彼へ手紙を書く筈だった。しかし、ジャイサルメールを出てからそのメモを無くしてしまった。
あれだけ彼に説教した手前、本当に申し訳ない。

説教・・・!?

それは、そのやり取りの後の出来事だった。
僕は何か彼にプレゼント出来る物はないかと、荷物をさばくっていた。
そうだ、免税店でオマケに貰った「保温マグカップ」、コレが良いだろう!
僕は梅津にそれを渡すと、なんだか不満気である。

「それより、チップ頂戴よ!」

あぁ〜キタ!やっぱりお前もかっ!!
そもそも、チップと言うのは「心付け」である。してもらったサービスに対して、された側の自由で払う物だ。決して、サービスした側が要求するものではない。
僕は今回のツアーで4100ルピー払うが、彼に入る金額は少ないものだろう。大凡、見当は付く。しかし、それをコチラに言われても困るし、別問題だ。

17歳の少年相手に、マジで説教してました。

「でも今まで、たくさんの日本人が僕にチップをくれた。500とか1000とか・・・。」
「俺は、その多くの日本人とは違う!」
「じゃぁ、お前に1000ルピー払っても良い。でも、シャイタンに払う分から引いておく。それでも良いのか?」

インドの事だから、おそらくそんな事は通用しないだろう。多分、二重取りになる。
でも、彼を説得するため賭けに出た。

「分かったよ。このカップ貰っておくよ!」

何とか納得してもらえた様だ。僕は何回も彼に言った。
「もっと金が欲しかったら、客じゃなくてボスに言え!」
おそらく、今でもヤツが日本人相手にチップを要求しているのは、目に見えて分かる。でも、こんな日本人がいた事を忘れないで欲しい。

その為にも、メモを無くした事がとても悔やまれる。

ジャイサルメールに戻り、数時間ほど時間潰しをして予約していた列車に乗った。
これも、シャイタンに前日頼んでおいたモノだ。
彼のところは実に明朗会計だった。列車代プラス手数料が50ルピー。決して安くは無いが、黙ってもっとボッたくる旅行会社はいっぱいある。
それから、シャイタンに梅津の事を絶賛しておいた。
何とかギャラを上げてやって欲しいものだ。


そして夕方の列車に乗り、僕は次ぎなる街ジャイプールに向かった。






と、次に行くはずだったが、キャメル・サファリの前にもう一つエピソードがあったんだった・・・。
次回、少々遡ります。